日本安全帯研究会 【NO Accident Whith HARNESS】

開く
トップ >> 墜落制止用器具について >> 

「墜落制止用器具」について

【種類】

労働安全衛生法施行令の一部改正(政令第184号 平成30年6月8日)により「安全帯」が「墜落制止用器具」に改められました。「墜落制止用器具」として認められるのは、フルハーネス型(図-1)と胴ベルト型(図-2)の二種類です。「墜落制止用器具」はフルハーネス型が原則となりますが、フルハーネス型の着用者が墜落時に地面に到達するおそれのある場合(高さが6.75m以下)には、胴ベルト型を使用することができます。

図-1 フルハーネス型
図-1 フルハーネス型
図-2 胴ベルト型
図-2 胴ベルト型

【選定方法】

労働安全衛生規則の一部を改正する省令(厚生労働省令第75号 平成30年6月19日)において、「墜落による危険のおそれに応じた性能を有する墜落制止用器具(要求性能墜落制止用器具)を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。」と規定されています。(第518条2項、第519条2項の要約)この省令を受け、「墜落制止用器具の規格」に使用制限が新たに規定されました。そこで、要求性能墜落制止用器具の選定要件について説明します。 (厚生労働省策定のパンフレット H 31.1 安全帯が「墜落制止用器具」に変わります!を引用しています。)

要件1:6.75mを超える箇所では、フルハーネス型を選定すること。

要件1

2m以上で作業床がない箇所または、作業床の端、開口部等で手すり等の設置が困難な箇所での墜落制止用器具は、フルハーネス型を使用することが原則となります。

ただし、フルハーネス型の着用者が地面に到達するおそれのある場合(高さが6.75m以下)は胴ベルト型を使用することができます。(一般的な建設作業の場合は、5mを超える箇所、柱上作業等の場合は2m以上の箇所では、フルハーネス型の使用が推奨されます。)


要件2:使用可能な最大重量に耐える器具を選定すること。

墜落制止用器具は、着用者の体重および装備品の重量の合計に耐えるものでなければなりません。フルハーネス本体に種類、使用可能質量が表示されていますので、選定時には必ず確認してください。使用可能質量とは、着用者の体重及びその装備品の合計です。

(100kg用が適切な者)
(100kg用が適切な者)
表示例
表示例

要件3:ショックアブソーバは、フック位置によって適切な種別を選定すること。

腰の高さ以上にフック等を掛けて作業を行うことが可能場合には、第一種ショックアブソーバを備えたランヤードを選定します。鉄骨組み立て作業等において、足元にフック等を掛けて作業を行なう必要がある場合は、フルハーネス型を選定するとともに、第二種ショックアブソーバを備えたランヤードを選定します。(両方の作業を混在して行う場合は、フルハーネス型を選定するとともに、第二種ショックアブソーバを備えたランヤードを選定します。)

ショックアブソーバは、フック位置によって適切な種別を選定すること

ショックアブソーバには、ショックアブソーバの種別、最大自由落下のうち最大のもの、使用可能な着用者の体重と装備品の合計の最大値、標準的な使用条件の下で使用した場合の落下距離が表示されているので、選定時には必ず確認してください。

ショックアブソーバの種別表示
事業者は、労働者に対し墜落による危険のおそれに応じた性能を有する墜落制止用器具(要求性能墜落制止用器具)を選定し使用させなければなりません。また労働者は、要求性能墜落制止用器具の使用を命じられたときは、使用しなければなりません。